多重課題シミュレーション研修
新卒看護師1年目研修
多重課題シミュレーション研修について
現在、新人看護師の基礎教育終了時点の能力と看護現場で求められる能力との乖離が大きいことが問題となっており、新卒看護師の就職先決定理由の上位には施設の教育体制の充実があがっています。
また、実習と看護現場の違いとして、実習では1人の患者に対して関わっていたのに対し、現場では複数の患者に看護をおこなわなければいけないことも新人にとって大きな課題となっています。
この様な現状で、当院でも新人研修の内容を見直していたところ“多重課題シミュレーション研修”を知り、2007年よりとりいれました。
新卒看護師は、入職後3~5か月ごろには一人で複数の患者を担当したり、夜勤がスタートしはじめる時期です。限られた時間内に複数の患者さまのケアを行うことが必要になり、ほぼ同時に援助を求められることもあるので、自分で優先順位を決めたり、応援の必要性を自分で判断できることが求められます。
“多重課題シミュレーション研修”はリハビリ室を病室に見立てて、その病室内に新人看護師が一人づつ入り複数の患者役がそれぞれに症状を訴えたり、援助を求めることに対応します。演習時間が決められており、時間内での対応について、優先順位の選択、看護技術の安全面、接遇などのチェック項目にそって観察者がチェックします。そして、演習後に新人看護師自身の気づきができるよう振り返りを行います。
多重課題シミュレーション研修をおこなったことで以下の効果がありました
- 新人看護師が振り返りをおこない、自分の到達状況を知る機会をつくれた
- 新人同士、お互いの援助をみることで成長を確認しあうことができた
- 研修企画者が新人看護師の弱み、強みを間近で知る機会となり、新人との距離が近くなった
- 卒後2年目の看護師が患者役をすることで、患者の気持ちを知る機会となった