キャリアアップを目指す看護師の取得可能なおすすめの資格5選
看護師としてキャリアアップを目指すためには、専門的な資格の取得が非常に有効です。資格を取得することで専門性を高め、より高度なケアを提供できるだけでなく、転職や昇進の際にも大きなアドバンテージとなります。
今回は、看護師が取得できる代表的な資格の中から、特におすすめの5つを紹介し、それぞれの資格の取得方法やメリットについて詳しく解説します。
1.認定看護師
認定看護師は、特定の分野において高度な専門性を持ち、実践的な看護技術を提供できる看護師です。認定看護師として働くことで、より専門的なケアを求められる場面で重要な役割を果たします。
認定看護師になるためには、看護師としての臨床経験が5年以上あり、うち3年以上は特定の分野での実務経験が必要です。加えて、指定の教育機関で約6カ月間の研修を受け、資格試験に合格することが求められます。
主な分野
- 感染管理
- 糖尿病看護
- 救急看護
- がん化学療法看護
- 皮膚・排泄ケア
メリット
認定看護師の資格を取得することで、自分の得意分野において専門性を発揮でき、病院内での役割が大きくなります。特に急性期病院や専門診療科での需要が高く、転職時にも有利です。
また、同僚への指導やアドバイスを行うことも多く、リーダー的な立場で活躍する機会が増えます。
2.専門看護師
専門看護師は、特定の看護分野において高度な知識と技術を持ち、看護実践だけでなく、教育や研究、患者や家族への指導など、広範な業務に携わることができます。
取得には、看護系大学院の修士課程を修了し、日本看護協会が実施する試験に合格する必要があります。専門看護師は、医療チームの中でリーダーシップを発揮し、複雑な医療課題に対応することが求められます。
主な分野
- がん看護
- 精神看護
- 小児看護
- 老年看護
- 災害看護
メリット
専門看護師は、高度な知識とスキルを持つため、医療チームの中で重要な役割を担います。また、患者やその家族へのサポートを行い、複雑な医療問題にも対応することができます。専門看護師は、病院やクリニックだけでなく、大学や研究機関での教育活動や政策提言など、幅広いフィールドで活躍できることも魅力です。
3.助産師
助産師は、妊娠・出産・育児に関する専門知識を持ち、妊産婦やその家族に対して適切なケアを提供する看護職です。看護師資格取得後、助産師養成課程を修了し、助産師国家試験に合格することで資格を得られます。助産師は病院の産科や助産所だけでなく、地域の母子保健センターや保健所などでも活躍しています。
メリット
助産師の最大の魅力は、出産という人生の大きな出来事に深く関わることができる点です。母子の健康を守り、新しい生命の誕生を支えるやりがいのある仕事であり、感謝の気持ちを多く受け取ることができます。少子化が進む中でも、妊娠・出産に関わる専門職としての需要は安定しており、助産師の資格を持つことはキャリアの幅を広げる大きな強みとなります。
4.保健師
保健師は、地域や企業において健康増進や病気の予防を目的とした活動を行う看護職です。看護師資格を取得後、保健師養成機関で必要なカリキュラムを修了し、保健師国家試験に合格することで資格を取得できます。保健師は、地域住民の健康管理を担当する保健所や、企業の産業保健部門での健康管理業務に携わります。
メリット
保健師は、看護師とは異なり、地域全体や企業の従業員の健康管理を担当するため、個別ケアだけでなく集団に対して予防策を提案し、健康を促進する役割を持ちます。職場環境によっては、夜勤や長時間労働が少なく、安定した働き方が可能な点も大きな魅力です。
また、企業内での産業保健師として働く場合、企業の福利厚生や健康管理を通じて職場全体の健康向上を支援することができ、看護師としての新たなキャリアパスを開拓できます。
5.ケアマネージャー(介護支援専門員)
ケアマネージャー(介護支援専門員)は、要介護者やその家族が適切な介護サービスを受けられるように、介護計画(ケアプラン)を作成し、各種サービスをコーディネートする専門職です。
看護師として5年以上の実務経験を積んだ後、ケアマネージャー試験に合格することで資格を取得できます。主に地域包括支援センターや介護施設で働くことが多いです。
メリット
ケアマネージャーは、看護師としての経験を活かしながら、介護分野においても活躍の幅を広げることができます。特に高齢化が進む現代社会では、ケアマネージャーの需要がますます高まっており、在宅介護や施設介護における中心的な役割を果たすことができます。
また、看護師の知識を背景に、医療的な視点からもケアプランを立てることができるため、介護業界において非常に貴重な存在となります。
6.当院有資格看護師の声
- どんなきっかけでその資格を取得を目指しましたか?
- 当時の当院の感染管理認定看護師さんから声をかけていただきました。(感染管理認定看護師)
- 私は看護師の教育活動をがんばりたいと思って色々勉強していました。しかし看護師の教育は何か専門的な資格がある訳ではありません。そのため自分がどの程度勉強できているのか、学びがひとりよがりになっていないかといったことがわかりませんでした。そこで看護管理ではなく大学院の修士課程で看護キャリア開発学という分野を学びました。その基礎的な位置づけだったのが看護管理、看護倫理、看護理論、看護研究といった分野でした。通常、認定看護管理者の認定試験は段階的にデザインされたコースで学んでから受験します。私は受験要項を満たすことができていたので、看護管理に関する自分の学びがどの程度身についているのか、ひとりよがりの学びになっていないかといったことを確認するために認定試験に挑戦しました。(認定看護管理者)
- 看護学生のときからなりたかったが、お金と時間が、なかった。看護師として、色んな経験をさせていただいたので、改めて母性をしたいと思い資格を取得しました。(助産師)
- 元々緩和ケアに関心があり、ターミナルで亡くなっていく方々に、もっといいケアができないか?と考え取得しました。(緩和ケア認定看護師)
- 糖尿病チームに入り知らない事が多く、不安な事が多かったので少しでも不安を解消したいと思ったことと。子供のダブル受験もあり私も何か頑張りたいと思ったきっかけでした。(日本糖尿病療養指導士【CDEJ】)
- 資格取得にあたり大変だったことはどんなことですか?
- 一番近い神戸にある学校は休校しており、開講している一番近い学校が横浜だったこと。さらに学校を受験したときがちょうどコロナのパンデミックが始まった時で、合格したのに1年間休校になったこと。通学中はせっかく横浜にいるのに不要な外出を禁止されて賃貸住宅に缶詰になってしまったことですね。(感染管理認定看護師)
- 看護管理を学んだとはいえ通常の段階的にデザインされたコースでの学びではなかったので、受験のために勉強する教科書や資料などがありませんでした。受験に必要なことを調べて自分なりの学習資料をつくることが大変でした。(認定看護管理者)
- 働きながら、学校に通っていたため、時間がありませんでした。(助産師)
- 私は3回受験して3回目でようやく合格しました。夜勤とか仕事をしながら、受験勉強をすすめることが大変でした。申請書を出すときの書類作成にも時間がかかりました。当時は独身だったので、自分の事だけでよかったですが、妊娠中や家庭を持たれてる方も認定過程に来られていて、両立が大変そうでした。(緩和ケア認定看護師)
- 症例のレポートを10例とるのにすごく時間が、かかってしまったこと。薬剤の名前や種類が沢山あって、覚えるのが大変でした 新しいことがなかなか頭に入ってきませんでした。(日本糖尿病療養指導士【CDEJ】)
- 資格を取得するために、どの程度(期間・時間)勉強をしましたか?
- 学校ではカリキュラムの総時間数が615時間(令和8年度から920時間)あり、4月に入学して3月に卒業しました。資格試験は10月だったので学校で頂いた問題や各教科のテストを毎日決めた数だけ解くように時間を作っていました。(感染管理認定看護師)
- 働きながら学ぶ人のためにある大学院の特例制度を使って、勤務表でのたくさんの配慮をしてもらい、家庭でも理解してもらいながら大学院で学ぶことができました。看護管理は看護キャリア開発学にとっては基礎的な位置づけではありましたが、2年間しっかり学んだというイメージです。試験対策には実質1ヶ月くらいかけました。(認定看護管理者)
- 3年ほど準備しました。(助産師)
- 3回連続で半年ごとに受験していたので、その間はずっと勉強に追われる感じでした。(1回で合格できればよかったのですが)申請書提出と並行して、半年前から文献や過去問などを集めていました。休みのときに、しようと思ってもなかなかできなかったような気がします。やらないといけないけど、勉強できない自分に焦ったりして、気持ち的に辛かったような気がします。(緩和ケア認定看護師)
- 夏頃から受験を決めて次の年の春頃の受験まで。カリキュラムのEラーニングを視聴して、糖尿病ガイドブック 試験問題集も購入して勉強しました。(日本糖尿病療養指導士【CDEJ】)
- 働きながら勉強する際に工夫したことはありますか?
- 病棟で働いていることが勉強になるので、当時手術室にいた私を病棟勤務にしてくださった管理の皆さんには感謝しております。感染に関わるケアや症状、投薬等実践を伴った勤務を行う事で強みになりました。(感染管理認定看護師)
- とにかく自分のおかれた状況をよく理解しよう、必ず何かつよみがあるはずだと考えていました。働きながら学ぶことには、フルタイムの大学院生と比べるとどうしても時間的な制約がありました。これは仕方ありません。しかし臨床感覚という点が大きなつよみでした。もうひとつ、しっかり学術的な空気にふれることと臨床での業務とで、いい意味で頭の切り替えや気持ちのリフレッシュができました。勉強で目の当たりにする難しい考え方や抽象的な言葉をたくさん目の当たりにして悩むこともありましたが、これはさっき臨床でみたこういうことだな、といったように自分の中で腑に落ちる感覚をもてる場面が何度かありました。学術的なところと臨床をタイムリーに行き来できることが自分のつよみなんだ、と意識して勉強しました。(認定看護管理者)
- 毎日勉強する時間を決める。産婦人科でバイトをして、モチベーション上げながら勉強することを工夫しました。(助産師)
- 受験前は、休みのときにまとまって勉強できなかったので、日々の業務の中で、症状のアセスメントをする事や使用されてる薬のことなどを調べたりして、知識を身に着けていきました。認定過程中は業務に携われないので、非日常を感じながら、半年間、同じ仲間と密にディスカッションしたり、貴重な経験ができ、どっぷりと緩和バカになれた貴重な時間でした。(緩和ケア認定看護師)
- 外来で働きながらだこそ受験できたと思っています。外来で先にCDEJを取得しているスタッフや先生方の協力やサポートは心強かったですし、他の外来スタッフ達にも「頑張れ!」と声をかけてくれてすごく励みになりました。(日本糖尿病療養指導士【CDEJ】)
- その資格(勉強)は業務にどのように役立っていますか?
- 現在は前任者から引継ぎ、医療の質・安全管理室で感染管理業務をしています。院内または高齢者施設での感染症の予防や蔓延時の対処について感染予防策が適切に行われているかどうか点検を行い、十分に行われていない場合には改善指導や教育の機会を設けています。また感染が起こってしまった場合にはどのような場面で起こったのか、その原因は何か、改善すべき点はどこにあるのかなどを監察し、そのデータを基にマニュアル改定や新たな体制を作ったりもします。職員の皆様からの相談には一緒に悩み、最新の知見を基に一番良い方向へ進めるようコミュニケーションも大切にしています。(感染管理認定看護師)
- 臨床では確かにそこにあるけれどもうまく言葉にできないことがたくさんあります。そうしたことを言葉にするための力や看護管理に関する用語や概念を理解できる力が少しは身についたかな、と思っています。また、制度やものごとを鵜呑みにはせず、自分なりに考えたり調べたり、制度の内容だけではなくその背景に目を向けることができるようになったと思います。看護管理をこれから学ぶ上での基礎が身についたかな、と思っています。(認定看護管理者)
- 助産師で分娩を取り扱いができたり、母子の相談に乗れたりですね。(助産師)
- 諦めずに何事もコツコツ続ける事や、仲間がいた事で今まで続けられてるのだと思います。様々な職種との連携や情報共有の仕方、緩和ケアのエビデンスや使えるお薬なども日々進歩しているので、専門家としてもアップデートしていく姿勢を身につけることができました。(緩和ケア認定看護師)
- 看護師外来をする際に以前より、患者さんに根拠もふまえて説明できるようになりました。(日本糖尿病療養指導士【CDEJ】)
- これから資格取得を目指す皆さんにアドバイスをお願いします。
- 看護師として数年働いていると、「もっと知識や技術を身につけたいな」と考えることがあると思います。そこがスキルアップのチャンスだと思います。学べる機会や資格はたくさんあるので、今まで働いてきて今の自分に何が一番合っているか、何に興味があるのか振り返ってみてください。知識や技術を身につけることで自信もつき、できることの幅が広がります。是非チャンスを逃さず前に進んでください。(感染管理認定看護師)
- 看護は生涯勉強だと思います。私はこれからも勉強を続けます。資格取得はゴールではなくそこから勉強がはじまります。資格に挑戦したい方はおられると思いますが、それぞれ色んな事情で挑戦しようかどうか悩んでおられるかもしれません。学びたい挑戦したいと思えば意外とやりようはあるものです。私は色んな資格試験に挑戦する方を応援します。認定看護管理者の挑戦への経験で得た学びは、その人らしい学びを支援するために活用したいと思います。(認定看護管理者)
- 自分がどのような看護をしたいか、どのような対象の方に接したいかを明確にすること。 具体的な目的を持つとモチベーションを保ちやすいです。助産師の道はこれからも険しいです。今後少子化にもなっていくので、色んな面で大変です。でも、助産師というのは素敵な職業です。ぜひ自分の描いたビジョンを大切に目指してください。(助産師)
- 初めはハードルが高いなぁと思うかもしれません。私も自分の人生の中で、あんなにもどっぷりと勉強し、自分と向き合う時間はなかったなと思います。苦しかったですが充実していました。自分の小さな歩みでも、いつか、誰かの、何か、に役立つことがあるかもしれないと思うと、前にすすんでいけます。チャンスがあれば、挑戦してみることをおすすめします。(緩和ケア認定看護師)
- 受けたいとおもったら思いきって挑戦してみて下さい。その時は大変ですが、後でよかったなと思うと思います。(日本糖尿病療養指導士【CDEJ】)
7.おわりに
看護師が取得できる資格は非常に多岐にわたります。認定看護師や専門看護師など、特定分野に特化した資格を持つことで、専門性を発揮し、患者へのより高度なケアを提供できるようになります。
また、助産師や保健師、ケアマネージャーなどの資格を取得することで、看護の枠を超えた新たな分野での活躍も期待されます。
資格取得はキャリアアップのための重要なステップです。自分の興味や目指すキャリアに合わせて、資格取得を目指してみてください。看護師としての未来はさらに広がり、充実したキャリアを築くことができるでしょう。
就職祝い金について
当院では、(紹介業者を介さず)直接ご応募いただき採用に至った場合、就職祝い金を支給します。
看護師・助産師 | 20万円 |
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准看護師 (正看護師の資格を取る意思のある方) |
10万円 |
※正職員(フルタイム勤務)の方、50歳未満の方が対象です。
※紹介業者を介した場合は対象外になります。