尼崎医療生協病院

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腹水ろ過再静注法

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腹水ろ過再静注法(KM-CART)

CARTとは肝硬変や癌などに見られる難治性腹水の患者さんの腹水を抜き、ろ過器を用いて細菌や癌細胞を取り除き、腹水中に失われた必要な蛋白、アルブミンを再び体内に戻す治療法です。

難治性腹水

癌や肝硬変の患者さんの中には、血管透過性の更新、低アルブミン血症などが原因で、血管から血漿成分や水分が漏れ染み出てしまいます。それが腹腔に溜まってしまったものを腹水といいます。難治性腹水は、食事制限や利尿薬などの治療法でも改善しない腹水のことをいいます。

難治性腹水の症状

腹水が大量に貯まるととても苦しくなります。10キロ前後、多い人で約15キロがお腹に入っているわけですので、歩くのも不自由になってきます。大量の腹水によって胃が圧迫されて食欲も低下します。また静脈も押しつぶされて循環が悪くなり、足の浮腫みがでてきます。

CARTの効果

腹水を抜くので腹部膨満感が緩和されます。胃への圧迫が解除されますので食欲も出てきます。循環もよくなり浮腫みも改善してきます。また漏れ出てしまった蛋白などの成分を再び血管内に戻すので栄養状態の改善が期待できます。

KM-CARTとは

従来のCARTでは、腹水の処理の過程でだんだんとろ過膜が詰まってくるので3~4L程度しか処理できませんでした。KM-CART(開発者の松崎 圭祐先生のイニシャル)は膜洗浄機能を有したシステムで、ろ過膜の詰まりが解消され大量の腹水処理が可能となりました。当院でも2014年よりKM-CARTを導入し、腹水の全量抜水(ドレナージ)を行っています。

  • 大量の腹水を抜くので大量の蛋白を血管内に返すことができます。
  • 腹部膨満感の緩和や浮腫の改善も飛躍的です。

治療の対象

肝硬変の患者様で、利尿剤などの薬物療法でも腹水コントロールが出来ない場合は有効な手段の一つとなります。抗がん剤治療中の患者様は、がん治療を長期間継続出来るように栄養や体調を整える必要があります、その際の手段としてCARTは貢献出来ます。がん治療が終了している場合でも、症状の緩和と体力の維持のためCARTが行われます。

治療について

2泊3日入院での治療となります。2日目の朝より腹水を抜き、処理されたものを夕方より点滴で再び血管に返します。体調の変化が無いようにゆっくりと抜水、点滴を行います。

依頼方法

KM-CARTのご希望の方は、まずはかかりつけ医にご相談ください。 かかりつけ医から、診療情報提供書と共に地域医療室までご連絡をしていただきます。 診療情報提供書から、KM-CARTの適応の有無を検討させていただきます。 適応と判断させていただきましたら、当院の外来受診をしていただきます。 ※体力が極端に落ちている方は、適応になりません。

お問い合わせ

尼崎医療生協病院 地域医療室 06-6436-1701(代表)

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