アトピー性皮膚炎の入院治療
アトピー性皮膚炎の入院治療(現在新規入院の受け入れを中止しています)
入院治療の対象は
- ステロイド軟膏を塗っても効かなくなった人
- ステロイド軟膏の副作用が出ている人でステロイドを早くに止めたい希望のある人
- ステロイドを使いたくない希望で入院治療の出来る人
入院治療をお断りしている人
- 本人の希望ではなく家族が入院治療を薦めている人
- 自分の意思がはっきり表現できない子供-中学生以下は入院治療を行わないのが原則です。
入院して何をするか
入院して特別なことを行うというわけではありません。特別な治療もありません。また、修験者のように修行を強いるものでもありません。当院にはナローバンド(紫外線照射装置)がありますから紫外線照射が効果のあると考える人には週に3回くらい照射します。
- 「早寝早起きしてバランスよく食べて」を実践します。
- 間食禁止(間食を見つけたら退院してもらいます)、甘い飲料水も禁止。病院が提供する食事を好き嫌い無く食べる(アレルギーは別に考えます)。
- 20年ほど前に(淀川キリスト教病院時代です)白米ではなく五穀を回転して食べたいという希望が出されましたが、入院をお断りしました。
- 消灯時間を守る、10時には布団に入る。
- 朝は早く起きる。回診時(8時30分)に寝ていたら布団をはがします。
このときに皮膚のチェックをします。 - 土日・祝日は休みです。
病棟に許可を取って外出・散歩などはOKです。関西見物もしてください。 - 夕方(外来が終わってから)時間があれば病棟に行きます。
- 質問があればその時に聞いてください。情報提供をします。
- 職場・家庭との連絡を減らす。
アトピーの原因をストレス・不安・人間関係と考えているからです。 - 洗濯など自分のことは自分でやる。
- 職場や親戚・家族の御見舞は無いほうが良いと経験的に思います。
入院期間
約4週間です。4週間で腹8分目が実感できます。大部分の人は入院前の皮膚よりは綺麗になります。
入院の目的
- ステロイドを止めて皮膚を綺麗にするということはもちろんですが、アトピー性皮膚炎の原因、どうしたら良いかなどを勉強してもらう
- 早寝早起き、バランスよい食事がいかに大事か体で覚えてもらう
- 仕事や学校に行く必要がないとはなんと楽なことか実感してもらう
- アトピー性皮膚炎は医者が治すわけではありません。患者さんが努力して治していくものです。医療者が出来ることは正しい情報の提供と、治っていくことが実感できる場、今までのストレスから開放される場を提供することと考えています。
- 入院の主治医は玉置昭治です。
- (お住まいが遠方なため)初めての診察後当日に入院したいとおっしゃる患者さんがいらっしゃいますが、入院目的を理解しないで入院しても意味がありません。一度受診をして玉置の話を聞いてから、入院を決めていただく方が良いでしょう。
- 『ステロイド軟膏を勝手に止めて、下肢がパンパンになった』『リバウンドが酷くてどうしようもない』などの理由で入院を希望される患者様がいらっしゃいます。ステロイド軟膏の功罪の理解やリバウンドといわれている状態はアトピー性皮膚炎の悪化であることを納得できないと、入院しても良くなりません。やはり、一度受診して理解を深めていただく方が良いでしょう。